ベツレヘムの星

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…のつもりです。

先月末ヒナタノオトさんでのお仕事で上京の折
帰る日の午前中に
友人に紹介されたミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで行われている
メゾチント展に行きました。

展示会場で限定日に行われている体験メゾチントコーナーで「星空をつくる」
というのがあって、ぜひやってみたく、体験してみました。
その作品が一昨日届いたのです。
(体験では版を作るのみで、ミュージアムで刷り上げて
後日郵送して下さいます。)

体験の作業というのは、用意された5✖️5cmの銅板に特殊な工具で
全体に細かく傷をつけます。
出来上がり白くしたいところは、スクレイパーでその傷を滑らかに
するべくバリをとります。
そのあと版にインクをのせ 余分なインクを取り去り、機械で
刷り上げます。
つまり傷が付いているところにインクが溜まり、濃い色になるのです。

展示ではスウェーデンの作家の2作品、階段に映る外からの木漏れ陽を
描いたものの、その光の濃淡や
こちらに背を向けてベッドに横たわっている人物を描いたもの、
布の皺の陰影と、暗がりの人物から感じられるなんとも知れない陰の
オーラが、いろいろ想像を膨らまされて
とてもわたし的には印象深かったです。

単純でない黒が奥の深い暗闇を表しているようで、ちょっと足を
踏ん張って立っていないと、深い黒の部分=暗闇がジワジワ
引きずり込んでくるように感じられたのです。
モノトーンの世界ですが、黒と白の織りなすなんと雄弁な世界!!

体験メゾチントの小さな銅板5cm角の作品作りでも、なかなか
大変な作業でした。
展覧会では大きな作品も何点もあり、
これらに費やす労力と時間といったら!!
想像しただけでも気が遠くなりそう。。。

表現するのに楽な方法など無いのだな…と
しみじみ思い知りました。

刷りあがりを待つワクワクドキドキは、版画の魅力のひとつでしょうね。

Old Folk Craft

東京からこちらへ帰る日
渋谷の松涛美術館で今開催中の『古道具、その行き先ー坂田和實の40年』を
観に行きました。

もともと古いものが好きだし、
坂田さんが開かれた千葉にある美術館『as it is』にも
かねてから興味があったのだけど、非常に行きづらい場所なので
こういうチャンスを逃すわけには行きません。
展示は古今東西、古くは紀元前エジプトのマスクから
昭和の魚焼きの網までとにかくいろいろ。
でも、どれもが、存在感をもって、そこに在りました。

帰ってきてからも、それらに共通した「何か」とは
何だろうか。。。と、ずーっと考えていました。

例えば、フライヤーにも使われている室町時代の木製の狛犬
風雨にさらされ、磨耗し、もはや狛犬と言われなければわからない姿。
(オオサンショウウオにも見える?)
でも、くすっと笑えるような、なんか心動かすような力をもって
そこに居ました。
リネン柄の木製のドア、ロシアのイコンなど当時の職人の手によるものだけでなく、
砂糖絞りの布(多分粗糖の茶色に自然に染まり、何度も継ぎをあてられ
続けできた、薄茶の濃淡のパッチワーク)やおじいさんの手づくり封筒など
日常生活で使われるなかで生まれたうつくしさ(おもしろさ)もありました。

それらは、それぞれの時間をその時代の人々によって
使用されたり、祈りを捧げられたり、たしかに暮らしの中で
おおいに活躍した時代があったものたちで、
その’気’のようなものをたしかに漂わせているような気がしました。

それらはみんな人の手によって、この世に生まれ、時を経ても尚
何か心を動かす力を持ってそこに存在する。
なんか陳腐な表現しか浮かびませんが、「心が宿っている」のを感じました。

そして、そういうもたちに囲まれている時間がとても心地よく、
展示室の中央に設置されたとても立派なすわり心地の良いソファに
どっぷり身をゆだね、その時空を堪能しました。


わたしが、作り出した木のものたちも、わたしが想像できる範囲以上に
時間を経ても、この世のどこかに存在しているとしたら
どんな在り様を示しているのだろうか?と、考えてしまいました。

とても良い時間でした。

この展覧会のことを教えてくださったhuiziさん、本当にどうもありがとうございました。

フレデリック・バック展

連休中の混雑を避けて、先月の連休直前に行ってきました。

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想像以上の点数が展示されており、かなり見応えありました。

幼少時からの絵、つまり生涯にわたる画歴をまのあたりにできました。
すごくびっくりしたのは、2歳のときに描いたピエロの鉛筆画。
人体のバランスがしっかりできているんです!!
2歳児って、宇宙人みたいな人体、あるいは○とか△のような形っぽいものしか
まだ描けないと思うのだけど。

きっとお母上も「この子は天才だわっ!」と、思ってその小さな落書きの紙片
(名刺半分大くらいの薄い紙)を大事に大事に取っとおいたのでしょうね。

十代のころに出会った先生の、とにかく目にするものを
どんどん描いて記録していくこと、という教えを生涯守り続け
天性の資質に加えて、その夥しい数の絵が、ますますその才を
成熟させていったのでしょう。

仕事に対する真摯さ、圧倒的画力、観察眼、自然観(ネイティブ・アメリカンからの
影響が大きい)
本当に圧倒されました。

the King of Gag



数日前に年末年始にかけて大丸札幌店で催されていた『赤塚不二夫展』に行ってきた。
こどもの頃は、ただただ楽しんで読んでいたのだけど、
おとなになった今、こうして歴史を追って作品が展示されているのを
観ると、本当に並々ならぬ才能だったのだな。。。と、心から思う。

まずあれだけ奇想天外な発想、アイデアを形にすること自体スゴイことだもの。
多くの天才に見られるように、湧き上がるものを表現することで
自身が消耗していく。。作家生活後半部はかなりハチャメチャなようだったけれど
それも納得できる膨大な仕事を残したのだ。

前夫人(赤塚不二夫のアシスタントでもあった)が保管していた
トキワ荘時代の秘蔵写真も展示してあって、後に巨匠となるような方々
が、希望にキラキラしている若者で(ちょっと陳腐な表現で気に入らないけれど
他に思い浮かばない。)写っていて、ほほえましく、まぶしく感じた。

動物系のキャラクターで好きなのは、カエルのべし・ケムンパス・ニャロメ。
ウナギ犬かニャロメのどちらが当たるか分からない、おみくじストラップを買った。
(こーゆーの素通りできない性質でして^^;)
どっちが当たってもよかったのだけど、ニャロメが出てきたー!
(シェーッのポーズをしています。)
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それぞれ色も5色あって、オレンジはファイト運だって。
ここのところ体調がいまひとつでファイトがなかなか沸かないわたしには
もってこいのお守りだ。
これをケイタイにぶら下げて今年一年のファイト運が開運しますように

展覧会2つ

先週東京で、2つ展覧会を観てきました。
ひとつは『ヘンリー・ムア  生命のかたち』



この展覧会ではブロンズ像や大理石像は点数はあまりなかった。
でも、リトグラフの『ヘルメット・ヘッド』シリーズと『ストーンヘンジ』の連作が
とても興味深かった。

『ヘルメット・ヘッド』は射撃用の小穴から覗く兵士の目を思わせる
版画の連作だ。
小穴に見える片目が、「黙視」、「直視」、「狂視」などと付けられている
作品タイトル名の通りに、その目の奥に鮮烈な感情をふくんでいるようで。。。とても惹きつけられた。
単純な表現で、とても多くを語っていることの驚きも含めて。



『ストーンヘンジ』、この場所は、わたしがいつかきっと訪れてみたい
場所だ。
この一連のリトグラフが展示されている部屋にいると
なんともいえない不思議な感覚にとらわれた。
あたかも過去に訪ねたことがあって、その場の空気や場の気みたいなものが
体の中に記憶されていて、それが呼び起されたような感じ。。。
写真で実物の様子を見るよりもずっとリアルに感覚に迫ってきた。
臨場感というか。。。月夜に光る石や雨に濡れ黒い光を放っているような
石に囲まれたスペースに足を踏み入れたかのような。。。なにか正確には言葉にできない。

ストーンヘンジはムア自身も23歳の頃初めて訪れ、ふかく感動したそうだ。
その後何回か訪れ、このテーマを50年以上もあたため、74歳の時に
表現の啓示を受けてこれらの作品を完成させたとのことだ。

10月17日までブリヂストン美術館
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もうひとつは
東京都庭園美術館でおこなわれている『香水瓶の世界』
小さくてきれいなビンというのは、オトメ心を刺激されるものですよね。^^)
この展示では紀元前3000年ちかくのものから現代までと7つの展示室に分かれて
とても見応えがあった。

とくに興味深く観たのは、古代のアラバスターやガラス製のもの。
石を彫って壺にした香油瓶は、キリストの時代はこんなのつかってたのかな、と、
じっくり観てきた。
アラバスターという石は純白で光を抱え込み内包するような柔らかい石で
うっとり眺めてしまった。
17世紀以降では、小さな瓶にこれでもかって、いうくらいゴージャスな
装飾を凝らしたものなどもあり、ホント、いろんな意味で溜息が出てしまった。

香水というイメージと遠いメカな感じをデザインに取り入れた瓶も
印象深かった。(画像右側の瓶)
フランスのゲラン社で出した、香水『夜間飛行』。
サン・テグジュペリの小説『夜間飛行』を読んで、感銘した
ゲラン家の当時の経営者が(小説家の友人でもあった)が作った
ものだそうだ。

展示されているとても古い香水瓶のなかには、中身が少し入っているものもあり、
この中身の香りはいったいどんなのだろうか。。?と、興味もそそられてしまった。

庭園美術館、初めて行ってみたけれど、
建物を巡るだけでも楽しめる。
壁やドアや照明などなど。。。
照明なんかとても素晴らしくて、香水を一通り観終わった後、天井を見上げつつ
改めて一部屋一部屋巡って鑑賞してしまった。

こちらは11月28日までです。

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ところで、そのとき庭園に咲いていたこの花、何の花なんだろ?
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